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不動の精神

今からおよそ22年前、ある男に課せられた使命───。
それは思いも寄らない不慮の事故だった。病院へ運ばれたときには、すでに体中の感覚を失っていた。診断結果は、第五頚椎圧迫骨折による重度の四肢麻痺……。致命的だった。寝返りをうつことさえ出来なくなった体で病床に横たわる彼の残りの人生を思うと、誰もが哀れみの視線を向けただろう。そんな彼が、絶望視する医師の前で、一歩二歩と歩いて見せたのは、それからわずか三週間後のことだった。人はそれを「奇跡」と片付けるが、彼はそうは思わなかった。なぜなら、「元通りになる」という己の確固たる意思によって、取り戻した四肢の感覚なのだから。それから彼は一度は失った残りの人生を、人を救うことに用いる事にした。西洋医学、東洋医学の枠に入らない治療を行う彼は医者などと呼ばれることを拒否し、自らを仙人と称した。

生存競争、自然災害、飢饉……。私たち人間はこれまでに多くの試練を乗り越えてきた。その結果、今こうして2010年を迎える事が出来た。とはいえ、その試練に終わりはなく、とりわけ人間を常に脅かし続けるのが「病」である。これまでも、ペストや天然痘などの殺人的な病に苛まれたこともあったが、その度に人間は懸命に立ち向かい、その難を打ち破ってきた。恐らくこれからも、人間はいかなる難問が立ちはだかろうとも、それを解決し続け、生き伸びていくのだろう。

そう思った時、一つの思いがうまれた。それは、難を解決するのではなく、難そのものを起こさないように未然に防げばいいじゃないか、それこそが一番の理想ではないのかと。……しかし、そんな方法も術も知る由はなく、諦めたところに出会ったのが仙人のこのつぶやき。

大切なのは、個々が己の精神のバランスを保つこと、すなわち不動の精神を身につけること

わたしはガンにはならない。そう決めているから。ならないと言ったら、絶対にならない!という強い精神力、心棒を確立すれば、ガンだって、何だって、病気にはならない。ごく平然とした表情をしながらも、その言葉は力強く、迷いもない。一呼吸置いて、つぶやきはさらに続く。

病に冒される患者に最も必要なモノとは?万能な特効薬?最先端の医療技術?いや違う。大切なのは、個々が己の精神のバランスを保つこと、すなわち不動の精神を身につけることなんだよ。

このように、病気やメンタルその他のいかなる障害にもとらわれない健康体を維持する為に必要不可欠なモノは個々が精神のバランスを保つことにあると唱える仙人の話は実に興味深いモノが多い。当然それらは仙人のもとに訪れた患者しか聞けない話なのだが、もっと多くの人に届けてみてはどうだろうか?そんな思いから、世間への 露出を拒み続けた仙人をどうにか説き伏せ、ようやくこの企画が実現した。

セレクト・アイ編集部では、病気の対処法や生活スタイル、その他にも仙人がつぶやく多岐に渡る話を取り上げていこうと予定しています。それが、皆さんの心に何かしら残せるモノになってくれればと思っております。

───次回の仙人のつぶやきもお楽しみに。

[文]福田 雄貴 [企画・撮影]上野 玲子

仙人 / 松坂 孝志(1948年 東京生れ)

幼少の頃から古武道を修め長じて中国人の道士から一指禅(いっしぜん ※1)を伝授されてから治療家が天職になった。惟神(かんながら ※2)の道を根源とする東洋医学と食養正を論理的、体系的に説く「松坂メソッド」で知られ、現在は導龍治療院(御茶ノ水)にて「気功」を基盤とした治療に励み、東洋医学研究家・食用正研究家という顔も併せ持つ。

*東洋医学とは?(東洋医学における「気」「血」「水」の捉え方)
中国では体の中のエネルギーの循環を「気」「血」「水」の三分類で捉えたりもするけども、「血」は「気」と共にめぐり、「水」は「気」と共にめぐる。つまり、「気」「血」「水」を別々のモノとして捕らえたりしてはいけないのである。このような基本的なことを知っていないと、大きな間違いに陥ることがあるので、みなさんにまずご理解いただきたい。

(※1)一指禅(いっしぜん):一切の意識を使わず自然呼吸で行う気功法である。 慧可(えか)は菩薩ダルマより伝授を受けた禅的修練法と中国式武術を統合し、一種独特の修練法である「一指禅功」を作り上げた。
(※2)惟神(かんながら):宇宙の真理に対する誓約(うけひ)の態度。

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