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マイ箸を持とう携帯しやすいおしゃれなタイプも続々登場

コンビニでお弁当を買うとき、お店の人が「お箸はどうされますか」の問いに「けっこうです」と答えると、「ありがとうございます」と返ってきます。この「ありがとうございます」の意味は、箸を使わないことで、箸に使われる木材を少しでも守った、ということでしょうか。

いえ、そうではないようです。木材を割り箸の為だけに切ることはありません。実際、割り箸の大半は中国や東南アジアからの輸入で、端材を利用して作られています。けれど、現在、全国で消費されている割り箸は、年間257億膳といわれ、これは標準的な2階建木造住宅に換算して、およそ2万棟分にあたる木材量だということです。

割り箸を使わないということは、日本の森林を守ったことにはなりませんが、沙漠化する中国等の森林を守り、黄砂など地球の環境問題に取り組むことにはなるようです。また、大切なのは<割り箸を使う=ごみが出る>ですから、割り箸ではなく、マイ箸を使うことで少しでもごみを減らし、さらにごみを焼却したときに出てしまうCO2の排出量を減らすことで環境に貢献できたということなのです。

日本で一番最初に箸を使ったといわれているのが、かの聖徳太子

さて、お箸の国、日本で一番最初に箸を使ったといわれているのが、かの聖徳太子です。当時、中国(隋)に使節を送って、戻ってきた使節団から箸の存在を知らされ驚きます。当時の箸は現在の形とは違い、「折箸」という細く削った一本の竹をピンセットのように折り曲げた形だったそうです。しかも、箸を使えるのは特別な人でした。箸というものは神様が使う神器だったのです。

その箸を初めて食事に使わせたのが、みなさんよくご存じの聖徳太子でした。中国の使節を日本に招待する時のため、大急ぎで箸を使った食事の作法を朝廷の人に習わせ、食事に箸を使う風習が始まりました。

奈良時代になって一般にも広がり、箸は「折箸」ではなく、現在使われているような二本一組の箸になっていました。素材は竹が主に使われており、「箸」という字が「竹かんむり」でできているのも、これによるものです。

今では竹以外にも、いろいろな材質、いろいろな種類の箸が使われるようになってきました。材質には各種の木、竹、金属、プラスチック、象牙等があり、漆・合成樹脂などでコーティングしてありますが、先が細く、四角のタイプが使いやすいでしょう。お米は植物なので、やはりご飯には木の材質のものが合うようです。

最近では、携帯しやすいおしゃれなタイプも続々登場しています。あなたにしっくりくるタイプのお箸はどれでしょう。さぁ、あなたもマイ箸に変えてみませんか。

種類 科・産地 特性
黒檀 カキノキ科・インドネシア産 木肌が細かく、重く、硬い
紫檀 マメ科・ミャンマー産 耐久性にきわめてすぐれている
ヒノキ ヒノキ科・日本産 美しい光沢、芳香がある。耐朽性、耐湿性にすぐれている
あすなろ ヒノキ科・日本産 軽い、耐湿性にすぐれている。漆器の木
紅木 マメ科・ミャンマー産 紫檀の一種。耐久性にすぐれている
バラ科・日本産 加工しやすい
カエデ科・カナダ産 弾力性がある。強靭、木肌が美しい
ブナ ブナ科・日本産 日本特産の木。食用油にもなるなど多様されている
もみの木 モミ科・日本産 日本特産の木。軽くて柔らかく、加工しやすい。乾燥に注意
花梨 マメ科・ベトナム産 硬いが、加工しやすい
柚子 ミカン科・タイ産 硬くて、仕上がりが良い
モクレン科・日本産 軽くやわらかい。材質が均質
クワ科・日本産 正月の祝い膳に使われる

[文]やまさき935

ライター / やまさき935(Yamasaki Kumiko)

大阪生まれ、奈良在住。衣食住のライタ-であり、舞踊家(新舞踊、和楽流の家元:和楽扇寿)。
最近は電話占いによるカウンセラーとしても活躍中。

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